萬屋ドラム教室 "Keep Swing": ジャズ講座5:変則フォーム

2012/03/02

ジャズ講座5:変則フォーム

このジャズ講座シリーズは、最初に大げさな表題を掲げてしまったので今になって少し困り気味ですが、もう少し切りの良いところまで続けます。

私がジャズを始めた頃は、全体的な音楽の流れ、そしてその中でドラマーが何を演奏しているのかを理解出来る様になりたかったので、テーマを何度も聴いて構成を覚えて、その後で各楽器のソロ、ピアノのコンピング、ベースライン、そしてドラムのコンピングを聴く様にしていました。そんな折、私にとって初めてのマイルスである、 "Steamin' With the Miles Davis Quintet" を買いました。一曲目の "Surrey With The Fringe On Top" をフォームを追いながら聴いていると、何度聴いても途中で数が合わなくなって混乱してしまいました。またこの曲では決まった場所にキメが入りますが、その場所も完全には把握できず、イマイチ理解しきらなかった事をよく覚えています。

まず譜面も何も無い状態でテーマを聴いてみると、この曲は大雑把に捉えれば AABA で、A はハイハットでハーフタイムフィール、B はライドシンバルでレギュラータイムで演奏されています。そして最後の A の9小節目から2小節のキメのパターンを3回繰り返して、7小節目の頭から2小節ブレークします。つまり、最後の A は計8小節延長されて16小節になっている事がわかります。

そしてテーマの後マイルスがソロを1コーラス吹きます。構成は冒頭のテーマと全く一緒なので、フォームに関しては完全に把握出来たと一安心です。ところが、その後コルトレーンがソロを2コーラス吹きますが、ここで数が合わなくなってしまいます。

これを聴いて何が起きているが理解出来れば、基本的なジャズの構成はかなり理解出来ていると言っても良いかも知れません。詳しい事は次回説明しますので、まずは曲を何度も聴いてみて下さい。

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