萬屋ドラム教室 "Keep Swing": ジャズ講座2:テーマ

2012/02/11

ジャズ講座2:テーマ

ドラマーのためのジャズ講座2回目の今回は、少しずつ実践的な話に入って行きます。

まず最初にお断りしておきます。一口にジャズと言っても、ルイ・アームストロングの20年代から現代までに様々なスタイルがあり、それらを一括りにして説明する事は出来ません。このシリーズでは、ビバップ(ハードバップも含む)と言われる40年代後半から50年代中頃までのジャズを念頭において話を進めていきます。

実際のジャムセッションやライブでは、下の様な譜面を見て演奏する事がほとんどです。ちなみに下は有名なスタンダード「枯れ葉」の譜面です。


この様な譜面をリードシートと言って、リードシートを集めた曲集をフェイクブックと言います。ジャズの演奏は一曲が非常に長いので、たった1ページだけの短い譜面を意外に思う方もいるのではと思います。

上の譜面が何を提示しているかと言うと、テーマと言われる曲のメロディーとコード進行です。通常曲の始めにリードシートのメロディーを1回演奏して、それから各楽器のソロに入り、最後にもう一度メロディーを演奏して終わります。

ソロに入ってから一体何をやっているかと言うと、上のコード進行をずーっと繰り返しているだけです。だからピアノとベースはリードシートのコード進行に沿って、コードで伴奏(コンピング)したりベースラインを作っている訳です。

で、ソリストはと言うと、そのコード進行に沿って即興演奏(インプロビゼーション)しているのです。つまり、ここが重要なポイントですが、ジャズとは簡単に言ってしまえば繰り返される原曲(テーマ)のコード進行に基づいた即興演奏なんです。

メロディーやコードが楽器の演奏に直接は関係ないドラマーの皆さんに、いきなりハーモニー等の音楽理論をしっかり勉強しなくちゃイカン!等と言うつもりはありません。では何をすれば良いかと言えば、まずテーマを口ずさめる様になるまで何度も何度も聴いて下さい。そしてそれが出来る様になったら、一曲を通して聴きながら、頭の中でテーマをずーっと歌い続けて下さい。もしピアノやギターでメロディーを演奏できてしまう人は、もちろん楽器を使って構いません。

この訓練を繰り返して行くうちに、ピアノのコードとベースラインから、テーマのメロディーが聴こえて来る様になれば大成功です。この域に達する事ができれば(ってそんなに大げさな物ではないけど‥)理論としてハーモニーを理解していなくても、感覚としてハーモニーを感じ取れていると言う事が出来ます。

そうなればソリストの後ろでビートをキープしながら、今曲のどこを演奏しているのかが分かる様になります。実を言うと枯れ葉の様な32小節のテーマの場合、大体感覚で曲の頭など構成が分かってしまうでしょう。しかし、少し変則的な小節数の曲や、毎回同じ所でブレークやキメの入る曲の場合は、演奏中に今どこを演奏しているか追えていないとブレークやキメを入れる場所が分からなくなってしまいます。この状態をロスト、または落ちたと言いますが、まずは曲からロストしなくなる事を目標にCDを聴いてみて下さい。

教室のウェブサイトも合わせてよろしくお願いします。


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