萬屋ドラム教室 "Keep Swing": ジャズ講座3:曲のフォーム

2012/02/14

ジャズ講座3:曲のフォーム

ドラマーのためのジャズ講座。3回目の今回は前回の補足で曲のフォームについて説明します。

ビバップでよく演奏される曲は、12小節のブルースを除くと、多くの曲が32小節です。その32小節を8小節ずつ4つのセクションに分けて、曲の構成を AABA や ABAB 等のフォームで分類します。ちなみに、前回リードシートを載せた枯れ葉のフォームは AABC です。

これは例えば英語の語順を SVO 等と分類するのと似ていて、実際の演奏には直接関係がない様に感じるかもしれません。しかし、曲をフォームで捉えておくクセがつくと、―まあ抽象的な表現ですが―、ジャズをより理解しやすくなります。

前回お話した通り、ドラマーはメロディーとコードを覚える必要がありません。しかしだからといって、曲の構成も分からずにただビートを叩くだけでは音楽的な演奏をする事ができません。前回からの繰り返しになりますが、とにかくテーマを繰り返して何度も聴きましょう。そしてメロディーと一緒に曲のフォームも覚えて下さい。

以下、思いつくままにいくつかの有名な曲をフォームで分類します。ジャムセッションでも定番の曲ばかりなので、是非実際に聴いて参考にして下さい。

AABA
  • There is no grater love
  • Bye bye blackbird
  • Satin doll
  • I got rhythm
  • On the sunny side of the street
  • Woody 'n' you
  • What is this thing called love
  • Candy
  • Confirmation
ABAB
  • If I were bell
  • I could write a book
  • You are my everything
  • It could happen to you
  • There will never be another you
  • On the green dolphin street
  • All of you
  • Mack the knife
  • Four
12小節のブルース
  • Now's the time
  • Au privave
  • Big foot
  • Blue monk
  • Straight no chaser
  • C jam blues
  • Cool struttin'
変則的なフォームの曲

  • All the things you are - 36小節。AABA だが最後の A が4小節延長されている
  • The surrey with fringe on top - 同上
  • East of the sun - 36小節。ABAB だが最後の B が4小節延長されている 
  • Alone together - 44小節。大雑把に捉えて AABA だが、最初の2回の A が14小節 (8+6)、B が8小節、最後のA が8小節というかなり変則的なフォーム
  • Moment notice -  38小節。 ABAB だが最後の B が14小節 (6+8)。最後の8小節では必ず決めが入るので、ロストが許されない曲。
  • Yes or no - 58小節。 Aが14小節 (8+6)、Bが16小節の AABA
12小節のブルースや32小節の曲だったら、難しいことを考えなくても感覚でなんとかなります。しかし、感覚だけに頼っていると変則フォームの曲をロストせずに演奏するのはかなり難しいでしょう。何度もくどい様ですが、テーマのメロディーとフォームを覚えるまでとにかく何度も何度も聴きましょう。そして、たくさんのCDを聴いて色々な曲を覚えましょう。

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